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なぜ冷え性予防にはビタミンEを摂取する必要があるの?
「寒い時期になると手先や足先が冷えてなかなか寝付けない」「暖かい夏場でもクーラーに当たるとからだがすぐに冷えてしまう」など冷え性でお悩みの方も多いのではないでしょうか。
今までの冷え性対策ではあまり効果を感じられなかった方でも、ビタミンEを摂取することで症状を改善できる場合があります。「若返りビタミン」とも呼ばれるビタミンEを摂取すると良い理由とは何でしょうか。
からだを内側から温める必要があるため
冷え性を予防する方法としてまず思いつくのは、厚着をする、部屋を暖かくする、お風呂に長く浸かる、カイロなどを使ってからだを部分的に温めるなどではないでしょうか。
これらの方法は全て、からだを外から温める方法です。それでも冷えが改善しないという方は、からだが内側から冷えている可能性があります。ビタミンEは冷えたからだの血流を良くし、からだを内側から温めてくれます。
自律神経を機能させておくことも重要であるため
自律神経は自分の意思とは関係なくからだを調整してくれる神経ですが、ストレスなどにより乱れることがあります。だるさ、不眠、頭痛、動悸、息切れ、めまい、のぼせなどの症状の他に、からだの冷えとして現れることがあります。
ビタミンEには自律神経を調整し安定させることで、冷え性を予防してくれる働きがあります。
ビタミンEが冷え性に効果がある作用的な理由2つ
ビタミンEには「血行を良くする働き」と「血行不良を防ぐ働き」があり、結果としてからだを内側から温めることができることが分かりました。
では、具体的にからだの中でどのように作用しているのでしょうか。血管の中で起きている現象について説明いたします。
過酸化脂質を抑制する
過酸化脂質とは脂質(コレステロールや中性脂肪など)が活性酸素によって酸化されたものです。簡単に言うと、脂質が錆びてしまった状態です。
この物質はからだにとって有害で、血管壁に溜まることで動脈が硬くなったり、細く狭くなったりします。結果として血流が悪くなり冷え性になってしまいます。
ビタミンEには、過酸化脂質の生成を抑える働き(抗酸化作用)があり、血流が悪くなるのを防ぐことができます。
ビタミンEの強力な錆び取り効果は老化、しみ、シワを予防することから「若返りビタミン」と言われるようになりました。
末梢血管を広げる働きがある
ビタミンEには末梢血管を直接拡張させる働きがあります。
また、血管内で血液が固まるのを防ぐ役割もあります。
血流を改善することで、冷え性だけでなく血行不良から起きるしもやけ、肩こり、頭痛にも効果が期待できます。
ビタミンEが多く含まれる食材7選
ビタミンは全部で13種類あり、からだの機能を正常に保つために必要な栄養素ですが、その全てが体内ではほとんど作ることができません。したがって、食べ物から摂取する必要があります。
ビタミンEを多く含む食材は、食品スーパーなどで簡単に手に入れることができます。今回は、特に調理しやすい食材を7つ紹介いたします。
なお、ビタミンEの1日に必要な摂取目安量は成人男性で6.5ミリグラム、成人女性で6.0ミリグラムとなります。
ビタミンEが多く含まれる食材1:ウナギ
ウナギに含まれるビタミンEの量は、可食部100グラム当たり4.9ミリグラムになります。
その他にもビタミンAやビタミンDなど栄養素を多く含むことが知られています。ビタミンAは免疫機能や視覚に関与し、ビタミンDは免疫調整作用の他に骨の成長や再生に欠かせません。
夏バテに効果があると言われているウナギですが、冬にも積極的に食べることで冷え性対策になります。
ビタミンEが多く含まれる食材2:アーモンド
アーモンドに含まれるビタミンEは可食部100グラム当たり30.3ミリグラムになります。調理をせず、そのまま食べられるので簡単にビタミンEを摂取できます。
アーモンドにはビタミンEの他に、整腸作用のある食物繊維、悪玉コレステロールを減少する作用があるオレイン酸などが豊富に含まれています。ただし、アーモンドはカロリーが高いため、食べ過ぎには注意しましょう。
ビタミンEが多く含まれる食材3:落花生
アーモンドと同じナッツ類でもある落花生(ピーナッツ)には、ビタミンEが可食部100グラム当たり10.1ミリグラム含まれます。生落花生は、そのまま食べたり、茹でたり炒ったりすることで美味しく頂けます。
ビタミンEは熱に強いので、熱を加えることでビタミンEの効果は失われません。しかし光には弱いので、保存するときは光が当たりにくい場所にしましょう。
また、落花生にはアーモンドと同様に食物繊維、オレイン酸などが豊富に含まれていますが、さらに特筆すべきは薄皮の部分に含まれるポリフェノールです。ポリフェノールにはビタミンEと同じ抗酸化作用があるので、落花生を食べる時には、薄皮も一緒に食べるようにしましょう。
ビタミンEが多く含まれる食材4:卵黄
卵黄には可食部100グラム当たり3.4ミリグラムのビタミンEが含まれます。ビタミンCと食物繊維以外のおもな栄養素のほとんどが含まれる、とてもバランスの良い食材です。ちなみに、ビタミンCは鶏自身が体内で合成するため卵黄には含まれません。
卵白にはビタミンEが含まれないため、卵黄だけを料理に使っても良いですが、普通の卵料理でも充分にビタミンEを摂取できます。
また、卵黄に含まれるコリンという物質は、認知症を予防するということで注目を浴びています。
ビタミンEが多く含まれる食材5:ごま
料理の仕上げに良く用いられるごまの中にも可食部100グラム当たり0.1ミリグラムのビタミンEが含まれます。白ごま、黒ごま、金ごまに含まれる栄養成分はほとんど同じなので、どのごまを使ってもビタミンEを摂取できます。
また、ごまにしか存在しないゴマリグナンという成分は、ビタミンEと同じ抗酸化作用を持つほかに、肝臓の機能を高めてくれます。
色々な料理にごまをかけて、ビタミンEを日常的に摂取すると良いでしょう。
ビタミンEが多く含まれる食材6:かぼちゃ
「冬至に食べると病気にならない」と言われるかぼちゃにもビタミンEは含まれます。日本かぼちゃでは可食部100グラム当たり2.2ミリグラム、西洋かぼちゃでは可食部100グラム当たり4.7ミリグラムのビタミンEが含まれます。
また、かぼちゃに多く含まれるβカロテンは体内でビタミンAに変換されます。
収穫してから2~3カ月寝かせた方がおいしくなるかぼちゃの旬は、10月~12月になります。寒い冬には欠かせない食材です。
ビタミンEが多く含まれる食材7:いわし
魚にもビタミンEは多く含まれ、特にいわしには可食部100グラム当たり2.5ミリグラムのビタミンEが含まれます。
また、いわしにはDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)も多く含まれます。DHAとEPAは必須脂肪酸の一種で、体内ではほとんど作ることができません。DHAは人の脳、神経、母乳の中に存在する成分で、EPAは血液を流れやすくする働きがあります。
ビタミンEと一緒に摂っておきたい成分3選
血流促進のためにビタミンEだけを意識して摂取するのも良いですが、一緒に摂ることで効果を更に高めることができる成分や、違った角度から冷え性を予防できる成分があります。
今回は、それら3つの成分を紹介していきます。
ビタミンEと一緒に摂っておきたい成分1:ビタミンC
ビタミンEと非常に相性が良いのがビタミンCです。ビタミンEは抗酸化作用で自らが酸化してしまうとその力を失いますが、ビタミンCにより甦り、再び利用できます。
また、ビタミンC自体にも抗酸化作用があるので、一緒に摂取することで効果は増します。
ビタミンCはバランスの良い食事をしていれば一般的には不足することはありませんが、特にビタミンCを多く含む食材としてはパプリカ、ブロッコリー、ケールなどが挙げられます。
ビタミンEと一緒に摂っておきたい成分2:ビタミンB12
ビタミンEは血流を促進することで冷え性を予防してくれますが、貧血のように血液が足りない状態でもからだは冷えてしまいます。コバルトを含み、赤い色をしていることから「赤いビタミン」とも言われるビタミンB12は、赤血球の形成を助けてくれる栄養素です。
ビタミンB12を摂取することで貧血などを改善します。ビタミンB12を多く含む食材としては、牛レバーやあさりなどが挙げられます。
ビタミンEと一緒に摂っておきたい成分3:葉酸
葉酸はビタミンB群の一種で、ビタミンB12とともに赤血球の形成を助けてくれる栄養素です。葉酸とビタミンB12は「造血のビタミン」とも言われています。
葉酸という名称から植物性食品(特に菜の花や枝豆)に含まれるのはもちろんですが、鶏レバーなどの動物性食品にも多く含まれています。
冷え性予防にはビタミンEの摂取を!
今回はビタミンEがからだに及ぼす効果と、効率よく摂取できる食材7つを紹介しましたが、どのような食材でビタミンEを摂取できるかおわかりいただけたでしょうか。
自分に合った方法で積極的に温活をして、冷え性に打ち勝ちましょう。