冷え性を食べ物で改善できるのか
秋から冬は冷え性の方にとって、とても辛い時期です。湯たんぽやホッカイロなどを使って応急的に手足を温めるも、すぐに冷たくなってしまい根本的な解決にならずに困っている方が多いでしょう。
今回は冷えの悩みを抱えている方達のために、食べ物で冷え性を改善する方法をご紹介いたします。食べ方や調理方法なども細かく説明していきます。
冷え性とは
冷え性とは、身体自体は寒く感じなくても手や足などの身体の末端部分に強い寒気を感じるものを言います。
原因は様々で、自律神経の乱れによるものや運動量が減ったことによる、基礎代謝の低下などが挙げられ、栄養素の偏った食生活も原因となっています。
冷え性を改善する食べ物の基礎知識4選
食べ物で冷え性を改善することができるとはいえ、実際どのような食べ物が冷え性に効果的なのでしょうか。
ここでは、冷え性を改善するための食べ物の特徴や主な食材をまとめた基礎知識4選をご紹介いたします。
冷え性を改善する食べ物の基礎知識1:冷え性を改善する食べ物の特徴
冷え性を改善する食べ物には特徴があり、それぞれ理由があります。これを理解するだけで冷え性を改善する料理などが作れるので、意識的に冷え性を改善する食べ物を選ぶためにも必要な知識を習得しましょう。
地面の下で育つ野菜や果物
冷え性を改善する食べ物の特徴一つ目は、地面の下で育つ野菜や果物です。根菜類などの地面で育つ食べ物は、ミネラルやビタミンを豊富に蓄えています。
ビタミンは血行促進の効果があり、基礎代謝を上昇させてくれます。ミネラルは代謝を良くする働きがあり、同時に利尿作用も生まれます。利尿作用が働くと、体温を低下させる水分を尿として排出してくれるのです。
旬が冬期の食材
冷え性を改善する食べ物の特徴二つ目は、旬が冬の食材です。旬が冬の食材は、ビタミンCとビタミンEが豊富に含まれています。
ビタミンCは鉄分の吸収を促進し、血行を良くする働きがあります。ビタミンEは血行を良くする働きと、ホルモンの分泌を調整する働きがあります。両方とも血管に対して効果があり、基礎代謝を促進してくれる効果が期待できます。
赤やオレンジ、黒色の食べ物
冷え性を改善する食べ物の特徴三つめは、赤やオレンジ、黒色の食べ物です。
赤やオレンジの食材は旬が冬の食材や、地面の下で育つ食材が多く、りんごやオレンジ、にんじんなどが挙げられます。黒色の食べ物はアントシアニンやビタミンEが豊富で、代謝の上昇や血行を促進する働きがあります。
発酵している食べ物
冷え性を改善する食べ物の特徴四つ目は発行している食べ物です。
発酵している食べ物には酵素が多く含まれており、酵素が身体を温める働きをしてくれます。酵素はタンパク質の一種で、代謝を活発するために必要な成分です。
納豆やキムチ、チーズの匂いが苦手と言う方は匂いが強くない味噌汁などを飲むと良いでしょう。
冷え性を改善する食べ物の基礎知識2:冷え性を改善する主な食材
冷え性を改善する食べ物の特徴が分かったところで、ここでは主な食材について解説いたします。
冷え性に悩んでいる方は、ここで紹介する食べ物を意識的に摂取して改善しましょう。
根菜
先ほどご紹介した、冷え性を改善する食べ物の特徴一つ目に地面の下で育つ食べ物というものがありました。
主な根菜類と言えば、にんじん・じゃがいも・大根・ごぼうなどが挙げられます。これらの食材はビタミンやミネラルが豊富なため、血行を促進する働きがあります。
煮物やスープ、サラダと色々な料理にアレンジができるので飽きずに食べることができます。また、スープの様に温かい料理は、内側から身体を温めてくれるのでおすすめです。
ネギ
長ネギや玉ねぎには、硫化アリル(アリシン)と言う成分が含まれており、ネギを生で食べた時の辛味成分がこれにあたります。
硫化アリルは血行促進の働きがあり、身体を温める成分として有名です。しかし、水溶性の成分で水に溶けやすい性質があります。また、加熱すると分解されて効果が期待できないので、できるだけ生で食べることをおすすめします。
水にさらして辛味を抜いてしまうと効果が期待できないので、みそ汁やスープに入れると良いでしょう。やわらかくなるまで煮込まずに、半生状態で食べることで効果が期待できます。
しょうが
しょうがも身体を温める食べ物として有名で、ショウガオールと言う成分の働きで冷え性を改善できます。
ショウガオールは血行を促進する働きがあり、内側から身体を温めてくれる成分です。ショウガオールはネギに含まれる硫化アリルと違い、熱を加えても効果が期待できます。
スープなど料理に加えるだけでなく、紅茶や白湯にすりおろし汁を入れて飲むことで身体を温められます。
人参
人参は血行を促進するビタミンEだけでなくβカロテンが含まれています。
βカロテンは抗酸化作用があり、血流をスムーズにしてくれる効果があります。体を温めるだけでなく、動脈硬化や心筋梗塞の予防にも役立つといわれています。
また、油に溶けやすい特性があるので、油分と一緒に摂取すると体内に吸収されやすくなります。
冷え性を改善する食べ物の基礎知識3:冷え性を改善するレシピ
ここまで冷え性を改善するための食べ物について解説しました。
とはいえ、食材だけが分かっても食べ方が悪ければ冷え性を改善することはできません。ここでは冷え性を改善するレシピについて解説いたします。
野菜の煮物
野菜の煮物は比較的調理が簡単で、温かい状態で食べることもあり、冷え性改善に役立つ料理です。また、作り置きできるので、経済的とも言えます。
和食であれば、かぼちゃの煮物や肉じゃががおすすめです。かぼちゃやジャガイモは冷え性改善におすすめの食材で、どちらも比較的簡単に調理でき、ご飯が進みやすい献立です。荷崩れしないように落とし蓋を使うか、気持ち少なめに煮込むのがコツです。
洋食では、ポトフやロールキャベツがおすすめです。ポトフの作り方はおでんとほとんど変わらず、和風だしの代わりにコンソメスープの素だけで調理できます。ロールキャベツは、ひき肉とスープにしょうがを加えると体が温まりやすくなります。
おでん
おでんも冷え性を改善におすすめな料理で、根菜類が沢山入っているだけでなく、温かいスープを飲むことで、身体の芯から温められます。
市販品でおでんの素なども売っているので、自分で出汁を取らなくても簡単に調理できます。大根は別の鍋で軟らかくなるまで煮込むとえぐみを消すことができます。
生の状態からすべての食材と一緒に煮込んでしまうと苦みやえぐみが移ってしまうので注意が必要です。
地方のおでんには、みそだれをつけながら食べるものがあり、一緒に発酵食品を食べることができます。しょうがと味噌、みりんを合わせたみそだれはおでんの味を変化させ飽きることなく食べられますし、しょうがと味噌で冷え性の改善に役立ちます。
きんぴらごぼう
きんぴらごぼうは根菜類を沢山摂取でき、作り置きやお弁当のおかずにも活用する便利な料理です。
細切りにしたごぼうと人参を油で炒め、醤油・みりん・砂糖などで味付けするだけなので簡単に調理できます。また、鷹の爪などで味にアクセントをつけますが、代わりにしょうがを入れることで身体を温めやすい料理になります。
ごぼうや人参だけでなく、大根やカブなどで作れ、おでんなどの煮物を作るときに出る、大根の皮を使って作ると経済的で高い栄養価が期待できます。
冷え性を改善する食べ物の基礎知識4:冷え性を改善する飲み物
ここまで冷え性を改善する食べ物について解説してきましたが、食べ物だけでは物足りないと感じる方もいるのではないでしょうか。
そこで、ここでは冷え性を改善する飲み物について解説していきます。
ココア
ココアは体を温める飲み物の代表で、ココアに含まれるカカオポリフェノールは血管を強くし、血行を促進する働きがあります。
カロリーが気になる方であれば、カカオ100%の砂糖を使っていないココアなどを使用すると安心です。また、アルポカ スムージーを加えることで、しょうがなどの成分を一緒に吸収してより体を温めることができます。
日本酒
甘酒も身体を温める飲み物として有名で、酵素の効果により体が温まります。
酵素の働き意外にも、酒かすを使用した甘酒はアルコールが含まれており、アルコールの効果により体が温まります。しかし、冷え性を改善したいのであればあまりおすすめとは言えません。
冷え性を改善したいのであれば、米麴を使用した甘酒がおすすめです。60℃より高い温度で温めると酵素の働きが弱くなってしまうので、40℃を目安に温めると良いでしょう。しょうがのすりおろし汁などを加えると更に身体が温まります。
紅茶
お茶やコーヒーに含まれるカフェインは体を冷やしてしまうと有名ですが、紅茶は体を温める飲み物に含まれます。それは紅茶が発酵した茶葉を使用しているからです。
冷え性を改善する食べ物の特徴でも紹介した通り、発酵した食べ物は体を温めます。紅茶は茶葉を摘み取った後に発酵させて作っているので、酵素の働きにより体を温めることができるのです。
紅茶も、しょうがのすりおろし汁などを加えるとことで、更に身体を温めることができます。
冷え性は避けたい食べ物の特徴3つ
身体を温める食べ物があれば、身体を冷やす食べ物もあり、冷え性を改善するどころか、逆に悪化させてしまう可能性があります。
ここでは、冷え性は避けたい食べ物の特徴について解説いたします。
冷え性は避けたい食べ物の特徴1:地面の上で育つ野菜や果物
地面の上で育つ食べ物は、熱による影響を避けるために地面の上で成長していきます。そのため水分が多く、身体を冷やしてしまう成分を多く含みます。
トマトやキュウリが代表的で、熱中症対策のための食材としても知られています。夏に食べるのであれば良いですが、秋や冬などの寒さを感じる時期に食べるのは避けた方が良いと言えます。
冷え性は避けたい食べ物の特徴2:旬が夏期の食べ物や暖かい気候で育った物
夏が旬の食べ物や、温かい気候で育つ食べ物も冷え性は避けた方が良い食べ物です。
夏が旬の食べ物や温かい気候で育つフルーツなどは、水分が多く体を冷やしやすいです。食べすぎると体を冷やしてしまうので、夜に食べるのを避け、昼間に少量食べることを意識しましょう。
冷え性は避けたい食べ物の特徴3:色が薄い食べ物
色が薄く、白や緑の食べ物は体を冷やす食べ物と言われています。
キュウリなどは水分が多いため身体を冷やしやすく、ホウレンソウや春菊などは、カリウムを多く含んでおり、強い利尿作用を持っています。そのため必要以上に尿が排出され、一緒に体温を下げてしまいます。
また、水分の多い食材は消化をする際に身体の熱を消費してしまうので、冷え性は避けた方がいい食材と言えます。
冷え性を改善する食べ物を把握して対策しよう
今回は「冷え性を改善するための食べ物」とその特徴や食べ方について解説していきました。
冷え性を改善する食べ物を把握することで、冷え性になりにくい身体を作ったり、冷え性そのものを改善できたりします。
身体を温める方法は様々ですが、一番簡単な食生活の改善から始めることをおすすめします。