基礎体温は、妊娠しているかの判断だけではなく、自分の身体のコンディションなど様々なことがわかります。妊娠希望の有無にかかわらず、ひと月のリズムを知り毎日の生活を快適に過ごすために、継続して基礎体温をつけるのはおすすめです。
基礎体温とは

基礎体温とは、最も安静な時の体温です。
寝ている間の体温で、朝起きた直後に身体を動かす前の状態で測定します。
毎日同じ時間に基礎体温を測定し、スマホのアプリや基礎体温表を使用して記録することで月経や排卵の時期、妊娠しやすいタイミングなど身体の状態を知ることができます。自分に合った基礎体温のつけ方でぜひ記録してみてください。
基礎体温の周期

基本的に基礎体温は、排卵までの低温期と排卵後の高温期の二相に分かれています。低温期と高温期は、個人差はありますが体調不良や睡眠不足、ストレスがある時を除けば、基礎体温に0.3~0.5度の差があります。
周期によって、身体や気持ちの変化が起こります。
基礎体温表に記録し、基礎体温グラフにするとわかりやすいです。基礎体温だけではなく、腹痛や体調不良、イライラなど健康状態や気持ちの変化も一緒に記録しておくと、体調が崩れやすい時期など自分自身のリズムがわかるようになります。
また、飲酒によっても基礎体温は変化します。お酒を飲んだ翌日は、お酒を分解する時に熱を放出するためいつもより高い体温になる傾向があります。夜遅くまでの飲酒や、深酒をすると一時的に体温が上がります。
低温期
低温期とは、月経後の卵胞期の時期です。
エストロゲンが分泌され、ピークになると黄体形成ホルモンという排卵を誘発するホルモンが出るため、排卵が起こります。
低温期の中で、最も基礎体温が低くなる日があります。この日から数日以内に排卵が起こる可能性が高いです。28日周期だと、14日目に排卵することが多いと言われています。
低温期は、1ヶ月の中で体調が良い時期です。気分や考え方が明るく前向きになり、肌の調子も良くなります。
高温期
高温期とは、月経前の黄体期の時期です。
排卵日の後、プロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌され、基礎体温が低温期より0.3~0.5℃上昇し高温期に入ります。また、妊娠した時の高温期は16日以上続いている可能性があるとされています。高温期は、肌荒れやむくみなどの身体的な変化が起こり、イライラするなど気持ちの状態も変化し不安定になります。
基礎体温の測り方のポイント3つ

基礎体温は、いつ測るのが良いか、どのように測定するのかとわからないことが多い方もいるでしょう。基礎体温は、測定方法や生活のリズムによって変化してしまいます
間違った測り方をしてしまうと誤差が出てしまうので、使い方を理解して正確に測定しましょう。
今から基礎体温の測り方のポイントを3つ紹介します。
基礎体温の測り方1:決まった時間に測る
まず、毎日決まった時間に測るようにしましょう。
基礎体温の変化を知るためには、同じ環境で測定することが良いとされています。
変動の少ない基礎体温を測るためにも測る時間を決めましょう。
睡眠時間が4時間未満の場合は、本来の基礎体温と違う可能性があります。最低でも5時間以上の睡眠をとりましょう。
何度も目が覚める場合やトイレで夜中起きる場合は、動き出す前や二度寝する前に測定しましょう。基礎体温は、動くと上がってしまうので誤差が出てしまいます。
起床時間が違い、計測時間のズレが生じた場合は、基礎体温と一緒に測定時間も記録するようにしてください。
基礎体温の測り方2:口を閉じて測る
次に、口を閉じて測りましょう。基礎体温は、身体の中心部の体温を測定します。舌の裏側で口を閉じて測ります。口を開けたまま測定してしまうと、外気温の影響で正確な数値を測ることができなくなってしまいます。
動いたり起き上がったりすると誤差が出てしまうので、基礎体温を測り終わるまで同じ姿勢を保ち、口を閉じて静かに待ちましょう。
基礎体温の測り方3:同じ位置で測る
最後に、同じ位置で測るようにしましょう。基礎体温は、舌下の奥にある舌小帯という中央の筋の両側で測るのが正しい位置です。誤って舌上で測らないようにしましょう。舌の上で測ってしまうと、0.04 〜 0.10度の差が出てしまいます。
また、測定する舌の位置が違うと誤差が出てしまうので舌下の左右どちらか決めて毎日同じ位置で測りましょう。
基礎体温からわかること3つ

基礎体温を続けて測定すると、どのようなことがわかるのでしょうか。
これから、基礎体温からわかることを3つ紹介します。
基礎体温は毎日測定する必要があり面倒に思うこともありますが、たくさんのメリットがあります。
これから紹介する内容を知ると基礎体温を記録したくなると思います。
基礎体温からわかること1:異常がないかの目安になる
まず、異常がないかの目安になります。
低温期と高温期の温度差は0.3~0.5度と言われています。この低温期と高温期の温度差が0.3度以下や、安定しない場合は排卵していない可能性があります。
月経があったとしても排卵していない状態であれば、無排卵月経の可能性があります。
また、低温期の体温が36℃未満の場合は低体温と言われています。
冷えや消化不良、疲れやすいなどの不調が起こります。基礎体温を継続して測定することで低体温に気付くことができます。
基礎体温を測定することで、無排卵月経や低体温がわかります。
このような状態が続く場合は、一度婦人科を受診してみると良いでしょう。
基礎体温からわかること2:身体のコンディションがわかる
次に、身体のコンディションがわかります。
基礎体温の低温期は体調が良くなります。気分や考え方が明るく前向きになり、肌の調子も良くなります。
一方で高温期はイライラする、落ち込むなど心の状態が不安定になり、むくみや肌荒れがおこりやすくなります。
高温期に分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)は、水分を蓄える作用があるのでむくみやすくなります。また、食欲が増して過食になりやすい時期です。ダイエットをしていても、効果が表れにくいため、低温期に行った方がストレスもなく効果があります。
基礎体温を測定することで、心身のリズムのパターンを知ることができます。
1ヶ月だけではなく、2~3ヶ月継続して測定することで、毎月のパターンがわかるようになります。
基礎体温からわかること3:ホルモンバランスの乱れがわかる
最後に、ホルモンバランスの乱れが分かります。
高温期の温度が上がらず全体的に低いままの場合や、期間が短い場合は、卵巣の働きが低下しているかもしれません。
基礎体温の変化は、女性ホルモン異常が影響しています。
体調の変化が女性ホルモンの分泌による変化であれば、基礎体温を測定することで不調が出てくる時期をあらかじめ知ることができます。
基礎体温に問題のある状態とは?

基礎体温を継続してつけることで、グラフのパターンから様々なことが分かります。これから、気をつけたい5つのパターンについて説明します。
まず、基礎体温の値がほぼ横ばいで、体温が上がらない状態や下がらない状態が続いている場合は、無排卵月経の疑いが考えられます。女性ホルモンの分泌が低下しており、排卵ができていない可能性があります。
次に、高温期が短い場合は、黄体機能不全の疑いが考えられます。卵巣の働きが悪く、妊娠を阻害する原因となる可能性があります。
そして、高温期に入ったのに一時的に体温が急に下がる場合も、黄体機能不全の疑いが考えられます。高温期が短い場合と同様に、卵巣の働きが悪くなっている可能性があります。
さらに、高温期になっても体温がなかなか上がらない状態が続いている場合は、基礎代謝が低い可能性があります。この場合も排卵に影響すると言われています。
最後に、平熱が35度台の場合は、低体温の可能性があります。ストレスや環境の影響で、自律神経のバランスが崩れている場合があり、免疫力が低下している可能性もあります。
気になる症状がある場合は、自分で判断をせずに早めに婦人科を受診しましょう。
基礎体温を知り改善につなげよう!

基礎体温は、妊娠したかの判断だけではなく、様々な情報を得ることができます。今は妊娠を計画していない人も、体調管理や生理不順に悩んでいる人にとっては自分のホルモンバランスを知ることは大切です。
基礎体温を測定することでストレスになる場合は、無理はせずに測定するのをやめましょう。
また、冷えが原因で基礎体温に問題が起きている場合があります。自分自身で改善することもできるので、始めやすいものからスタートしましょう!
基礎体温について、下記も参考にしてみてください。